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2014年02月03日

節分

「鬼は外 福は内!」

なんて時期になると思い出すのがこのお話し


むか~し・むか~し

あるお百姓さんの家に、貧乏神が住みついていた。

お百姓夫婦は働き者で、

来る日来る日一生懸命働いていたが、

貧乏神が住みついているので、

その家の暮らしは少しも楽にならなかった。

ところが、ある年の暮れに、

お百姓夫婦の長年の夢がかなって、

とうとう福の神がその家に来ることになった。

お百姓は夫婦は耳を澄ませて、

遠~くから段々近づいてくる福の神の嬉しい足音を聞いていた

すると・・・・・・・

不意に近くで、「ひぃん!」という

悲鳴のような鳴き声が聞こえた

見ると、そこで泣いているのは・・・・・・・

永年その家に住み慣れていた貧乏神だった

福の神が来れば、貧乏神は出てゆく他はない

それで貧乏神は泣いているのだった

お百姓夫婦は心の優しい夫婦だった

永い年月、共に暮らしてきた貧乏神が、

いよいよ出て行かなくてはならなくなって泣いている姿を見た時

福の神よりも貧乏神と一緒に暮らす方がいいと思った

福の神はとうとうお百姓夫婦に家に着き、

引き戸をどんどん叩いた

すると貧乏神はいっそう声を高めて泣いた

お百姓夫婦の心は決まった

福の神などいらなかった

引き戸をあけるや夫婦は福の神に襲いかかり、

お前などこの家に必要ない、とっとと出てゆけ、と告げた

福の神はほうほうのていで逃げ出しながら、つぶやいた

「どうしてかなぁ~ 僕は福の神なんだがなぁ~」

一方貧乏神は・・・・・

夫婦の優しい心に救われて家を出て行かなくても済んだので

それ以後は天井裏の隅っこに小さく静かに住み

夫婦共々仲良く暮らしましたとさ。


「日本昔話」より


節分



貧乏神で卑屈にならず

福の神で欲張らず

どんな神様と一緒に住んでいても

つつましくいることが大事なんだろうね



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Posted by 地球のかけら at 21:50│Comments(0)日々のこと
 
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